双姫 Ⅰ



『あ、えーっと類?』


類の瞳に魅入っていたけど
状況を理解して流石にマズいと分かった。


寝惚けてるのかな…。


『寝惚けてる?起きてる??どっち?』


「朱音…。」


『……何?』


うーん…どっちか分からんないな、これ。


「もう…どこにも行かない?」


ん?なんの事言ってるんだろう??
昨日の『約束』の事かな。
それとも逃げ回ってた事かな。


『うん、どこにも行かないよ?
昨日『約束』したでしょ?』


髪をワシャワシャとすると
擽ったそうに顔が緩んだ。


あれ?これ染めてない…??地毛??


「良かった…ずっと側に居てね。」


類の顔が近付いて来る。


『へ?る、類??』


いや、流石に近い近い!!


類の吐息が顔にかかった瞬間、
ギュッと目を閉じた。


ドサッ


『……え?』


「…スー……スー…。」


『……。』


…また寝ちゃったよ。