双姫 Ⅰ



奈緒珠さんは反対していたけど
最終的には私の意思を尊重してくれた。


「じゃあ退院する時に
私達の家にお引っ越しね!!」


嬉しそうに笑う『悠華』さん。


『あ、お願いします…。』


「もう家族なんだから敬語は禁止!
私の事は『お母さん』って呼んで♪」


お母さん、私にとっては縁も無い言葉。


「母さん。
ゆっくり慣れてくれればそれで良いだろ…。
俺は朱音と一つしか年の差は無いから
気軽に話そうな?」


『は、はい…。』


緊張はするけど
この人達の作る空気は嫌いじゃない。


「お話は終わりましたか?
そろそろ診察を始めたいのですが…。」


言いにくそうに医者が会話に入って来た。


「あら失礼しました。
付き添ってもよろしいですか?」


「構いませんよ。
傷と目の状態を確認するだけなので。」


私が寝ている時に巻かれたのか
その包帯が解かれていく。


「うん…問題無く回復してるね。
目は痛まないかい?」


『今は…なんともないです。
あの、どうして……。』


私に蒼空の目があるんですか?