双姫 Ⅰ



そして、私が目が覚めて
見たのは知らない天井だった。

身体を起こすと顔に激痛が走った。


『痛っ…!か、鏡……。』


余りの痛さに涙が出るが必死に鏡を探す。

すると、何か手に当たり見ると手鏡だった。

直ぐ手に取り
鏡を見ると左の顔半分を覆う包帯が映っていた。


『違う…違う……!』


頭からあの光景が離れない。
悪い夢。そうに決まってる。


鏡を見ながらゆっくりを包帯を解いていく。


『そんなッ…!』


鏡には私がナイフで切られた傷が
ハッキリと映されていた。

カサブタに覆われていて痛々しい。

でも、痛みの原因はこの傷じゃない。


恐る恐る目を開けると、


『な、なんで!!』


『朱』だった筈の左目が『蒼』になっていた。


『蒼空!蒼空!!』


私は蒼空の名前を
叫びながら病室を飛び出した。

でも、どこにも蒼空の姿は見当たらない。


「朱音ちゃん!」


聞き覚えのある声がして振り返った。


『奈緒珠先生ッ!!』


奈緒珠さんが泣きそうな顔で私を見ていた。