双姫 Ⅰ



『し…える?』


「おねぇちゃん…。
逃げなきゃダメじゃ……ん……。」


ドサリと地面に倒れる蒼空。


『蒼空!!』


「お前ら!アイツらを捕まえろ!!」


その言葉に大勢の人があの男達を取り囲んだ。

でも男はただずっと笑っていた。


それでも今は目の前に居る
蒼空から目が離せなかった。


「や…くそく…まもれなかっ…たの
しえるの…方だっ…たね…?」


『何言ってんの?死なせる訳無いじゃん!!
誰か!誰か救急車ぁ!』


「も…む…り……だよ…。」


『なんで、なんで庇ったのよ!!』


私が刺されていれば
蒼空はこんな事にならなかった。


「…ぉ……ねぇちゃん…す…きだか…ら…だよ…?」


『なら「無理」なんて言うな!』


ナイフを固定するように止血するが、
深く刺さっているのか血が止まらず
水の様に流れ出ていく。


「光喜!救急車まだなのか!!」


「今、こっちに向かってる!」


私達の方に二人の男の人が向かって来た。


『助けて!蒼空を助けてぇ!!』


私は涙ながらに訴えた。