双姫 Ⅰ



「おーい。『神龍』諸君~?
これがなんだか分かるかな??」


男はどこか楽しげに
私達の髪を引っ張り上げた。


『離して!離してよ!!』


余りにも痛くて反射的に涙が出る。

それに周りに居る人達も
怖くて震えが止まらない。


「お前どういうつもりだ!!」


「おっと『楽龍』に『光龍』さんよ。
それ以上近付くなよ?

この可愛い
双子ちゃんの顔が傷付いても良いのか?」


「「ッ!?」」


ペタペタと私の頬に伝わる鉄の冷たさ。

恐怖は人を動けなくする
という事はこの事かと思った。

私は身体の感覚全てを失っていたから。


「お、おねぇちゃんに触らないでよぉ!」


蒼空がその様子を見て
耐えきれなくなったのか
空いた足で男の足を蹴った。


「痛てぇなおい、ガキが調子乗んなよ。」


『や、止めて!蒼空を傷付けないで!
お願い!お願いします!!』


男の態度が急変したのが分かり、
必死に頼み込んだ。


でも、


「言う事聞かない子にはお仕置きが必要だな?」


男は私の髪を離し、蒼空にナイフを振り上げた。


『止めてぇーーーーーーーー!!』


私は躊躇わず蒼空の前へ飛び込んだ。