双姫 Ⅰ



「おねぇちゃん…その人、死んでるの?」


『それは無いと思うけど…。』


恐る恐る顔を見ると
顔中痣だらけの男の人だと分かった。


それだけじゃない。
前を見ると大勢の男の人達が殴り合っていた。


『な、なにあれ。』


「おねぇちゃん…も、戻ろ……?」


相当怖いのか蒼空の手は震えていた。


『そうした方が良いかも。
蒼空来た道もど…蒼空!!』


「え…イヤーーー!!」


握ってた筈の手が離れ、
後ろに引き摺られる蒼空。

私は必死にその手を掴もうとした。


「お嬢ちゃん達
こんな所で何してるのかなぁ~?」


顔中痣だらけの男の人が蒼空の髪を掴んで、
気味の悪い笑みを浮かべていた。