双姫 Ⅰ



「良かったぁ!
おねぇちゃんがおねぇちゃんで!!」


『私も妹が蒼空で良かった!』


前の私ならこんな事言わなかった。
でも、本当に良かったと思えたの。


えへへ…と嬉しそうに笑う蒼空。


『蒼空には笑顔が一番似合うよ…。』


だから、そんな泣きそうな顔をしないで。
私が悲しくなるから。


「おねぇ…『あ!もうこんなに暗くなってる!』」


「え?わぁ、本当だぁ!!」


いつの間に日が落ちたのか
辺りは薄暗くなっていた。


『蒼空!帰るよ!!』


「うん!」


私は蒼空の手を引いて施設へ向かった。


『奈緒珠先生怒ってるかなー…。』


怒ってる奈緒珠さんを想像して
少し身震いした。


「おねぇちゃん!近道しよ!」


『…近道?そんなのあるの??』


「こっちこっち!!」


今度は蒼空が私の手を引っ張って走った。

引っ張られるままでいると
どんどん道が細くなり少し不気味になってきた。