私には親が居ない。
正確には「居ない」じゃないけど…。

物心つく前から居なかったから
私にとって居ないと同じだったの。


でも、この名前は捨てた親が名付けたらしい。

紙に名前が
書かれていてそのままつけられた。


そして、私は『壱岐保護施設』で育てられた。


捨てた親を恨んだ事もあった。
今はどうでも良いけど

小さい頃は
『なんですてられたの!?』って
奈緒珠さんを困らせてた。


奈緒珠さんは面倒を見てくれた人ね。

施設で私は上手く馴染めなかったけど
私には双子の妹が居た。


蒼空……。

『蒼い瞳』を持つ私の双子の妹。
私達は瞳の色が違うだけで他は全く同じだった。

親が外国人かは分からないけど
周りとは違う色で虐められたりもした。

特に私は『朱い瞳』だったから。