双姫 Ⅰ



『…そうか。』


やっと『双覇』の勝手な自己紹介が終わり、
興味無さ気に答えると驚いた顔をされた。


『…なんだよ。』


「え、蒼翔って『双覇』知らないの?」


「嘘だろ!?」


「…珍しい事があるもんですね。」


「………うん。」


類喋ってんじゃん(笑)
てか、もう呼び捨て?


『いや、知らない訳じゃない。
全国一の暴走族…それが『双覇』なんだろ?』


「知ってんじゃねぇかよ!
まぁ、確かに全国一って言われてっけど
実際は『双姫』なんだと思ってっけどな。」


『………『双姫』??』


その『双姫』が目の前に居るんだけどね。
知らないフリしとこっと。