双姫 Ⅰ



「このまま真っ直ぐ行って、
十字路を右に曲がった所が私の家です!」


『十字路…あれか!』


前を良く見ると十字路が見えた。

ミラーで確認して右に曲がる。
車来てたら危ないしね。


「ここです!」


彼女の家に着き、背中を押す。


『良いか。今日、俺と会った事は忘れろ。
悪い事に巻き込まれねぇ為にも分かったな?』


「そ、そんな!
じゃあ、名前だけでも教えて下さい!」


「駄目だ。言ったろ?
会った事を無かった事にするんだ。」


「私の名前だけでも覚えて下さい!
柏羅 真白(はくら ましろ)です!!」


『真白、もう路地裏に近付くなよ?』


後ろから足音が近付いて来る。


アイツらも足速いなぁ…。


『真白、中に入れ。じゃあな!』


真白の言葉も待たず、
私はその場から走り去った。