双姫 Ⅰ



蒼空、笑って。大好きなあの笑顔で。


「あ、あの/////」


モゾモゾと動く気配がして
自分のした事にやっと気が付く。


『あ、悪ぃ!!』


慌てて彼女から離れた。


私の馬鹿!
今は男装してんのに抱き締めたら
余計怖がらせるだけじゃん!

現に俯いちゃってるし!

ま、また泣かれる!?


「……プッ…アハハ!!」


『…へ?』


泣くと思ってた
彼女が笑い出して呆気にとられる。


「ふふ…優しいんですね?」


そう言って顔を上げる
彼女はもう泣いていなかった。


『優しくなんかねぇーよ…。』


「優しいですよ。とっても!」


泣いていたのが嘘のように
満面の笑みで私に笑いかける。

その笑顔に私も自然と頬が緩んだ。