双姫 Ⅰ



私が女だから良いとして
他の男だったら悩殺もんでしょ。
暗くて見えなかったけど相当可愛いし。


『袖通して、ボタンもな。』


早く早くと急かす。
仲間連れて来るかもしれないし。
もしかしたら『双覇』が探してるかも。


「は…はい!」


彼女は言われるまま袖を通し、
ボタンをかけようとするが
手が震えていてなかなかかけられない。


「あ、あれ?」


『…。』


安心して一気に気が抜けたんだろう。
大きな瞳からボロボロと大粒の涙が溢れる。


ど、どうしよう。出来ればここから離れたい。


『お、おい…。』


「す、すみまぜん…どまらなぐっで……。」


だよな〜。
とりあえず泣き止ませれば良いんだよね?
…私、女友達居なかったから分かんない。


" うわぁん!…おねぇちゃん~!!"

" もう…ほら!笑って笑って!"

" おねぇちゃんギュってしてー!"

" はいギュー!!"

" ギュー!!!わぁーい!"

" もう笑ってんじゃん!"


蒼空…。


自然と身体が動いた。


「…え……?」


『笑ってくれ……泣くなよッ…。』


私は彼女を抱き締めていた。