双姫 Ⅰ



彼女は返事をする代わりに
ブレザーをギュッと握り、軽く頷く。


『怖かったら目を閉じてな。
次いでに耳も塞ぐと良い。』


只でさえトラウマになる出来事なんだ
これ以上負担をかけたくない。


「は……い…。」


了解の声を聞き彼女の側を離れる。


「く、来るな!!」


男二人はそこら辺に
落ちていたのかバットを持っていた。


『見苦しいぞ、男なら小道具使わず闘えよ。』


「うるせえ!
お前なんか東条さんに消されちまえ!!」


『あ?「東条さん」…だと?』


今、なんて言った?東条と言ったか??


『お前ら『蛇蝎』か?』


私の言葉に一気に顔色が青ざめていく。


『なかなか身近に居るもんなんだなぁ?

秋原、城田、宮下は元気か?
どいつか忘れたが
関節を外しただけで大袈裟に喚いていたよ。

お前らはどっちが外されたい?』


「い、嫌だ!!近寄るなぁ!」


一人が奇声を上げながらバットを振り下ろす。


『バットは
人を殴る為に作られたんじゃねぇよ。』


バキッ!


軽々と避け、鳩尾に一発。

そのまま床に崩れ落ちた。


『さぁ、残るはお前だけだな?』


一人恐怖に震える男に
私は更に煽るように微笑んだ。