「今、なんて言った…?」


私は今も男装してる。
『神崎 蒼翔』の姿をしてるんだ。


「朱音…それが本当の名前だよね?」


「どうして…なんで知ってるの!?」


バレてる。どうして、女だって。


「…蒼翔が女だって事は知ってた。」


は?知ってた??


「いつ…から……?」


「屋上で抱き締められた時に…その……うん…。」


あぁ…成程。

ない胸が当たってしまった訳ですか。
不覚…。てか、なんで 類が赤くなんのよ。
アンタ女嫌いな筈でしょ?


『…騙しててごめん。
その様子だと聞いたんでしょ?
私が『蛇蝎』を追ってる理由。』


「……恨んでるから、だよね?」


『知ってるならなんでここに来た。
あれだけボコって遠ざけたのに!!
『蛇蝎』に狙われたらどうすんのよ!』


「俺らは朱音の復讐を止めたいんだ…。」


『は?止める?私を??
一度ボコられただけじゃ学習しねぇのか!』


素直に引き下がらない類に苛立ち
殴りかかろうとした。


「朱音!止めろッ!!」


『…ッ!?』


大声に驚き、立ち止まった。