「…どうして蒼翔が女って気付いたの?」


「それは…あの屋上で抱き締めた時に……。」


類の顔がみるみる赤くなっていく。


「お、俺の妹の神聖な身体に触れやがってー!」


「紘、黙って下さい。
貴方は蒼翔さんが
女と分かった上で側に居たんですか?」


「…あぁ。」


「あっれぇ〜?
でも君、女嫌いなんじゃなかったぁ〜??」


若干ニヤニヤしている芦基。


「蒼翔は大丈夫なんだ。」


「……ふぅ〜ん??」


「あの…話の続き良いですか??」


「あ、悪ぃ疾風。
俺ら蒼翔が
女だったって事すら知らなかったんだ。」


「そうだったんですか…。
俺はたまたま助けて貰った時の姿が
女だったのでそれで知ってただけです。」


「…そうか、じゃあ続きを聞かせてくれ。」


「は、はい!」


俺が街を歩いてる時、
この学校に居る
『蛇蝎』の下っ端に絡まれたんです。


路地裏に連れ込まれ
でも、総長に「関わるな」と言われてたんで
どうしようと悩んでたら
『双姫』、蒼翔さんが助けてくれたんです。


その時『蛇蝎』の事を教えたら
蒼翔さんいきなり笑い出して…。

最初はなんで笑い出したのか
分からなかったんですけど

今、思うと恨んでた相手が
身近に居たからだと思います…。


それで次の日、
『双姫』の事を
総長達に報告しようとしたんですが…。