双覇side


「痛てぇ……マヂ痛てぇ。」


「玲、さっきからうるさいです。
聞いてるこっちが余計痛く感じます。」


目が覚めた俺らを先ず襲ったのは
途轍もない痛みだった。

身体のあちこちが痛く、
上手く動く事が出来ない。


「皆さん…大丈夫っすか??」


「疾風…手当ありがとな。」


「ねぇ、疾風…蒼翔は??」


「え…あの……俺が倉庫に来た時にはもう…。」


「…そっかぁ。」


息苦しい沈黙が流れる。


「どうしてこんな事したのかな…。」


「燐…?」


「だっておかしいじゃん!?
さっきまで
あんなに楽しそうにしてたのに!」


最初は全然相手にされなかったけど、
ようやく仲良くなれてたまに笑ってくれて

行きたがらなかった
倉庫にも来てくれたのになんで?


「電話…。」


ポツリと類が呟くと皆がハッ!とする。


「そうだ電話だ!
あれから態度が変わったじゃねぇか!」


「相手誰だったんだろう…。
類!確か蒼翔の隣に居たよね!
何か聞いてないの!?」


「確か…『なおちゃん』……って言ってた。
それ以外は聞こえなかった。」


「「「「「なおちゃん……?」」」」」


「…それ性別どっちなんですかね。」


「……うーん…。」


「どっちでもありえるよね。」


またも沈黙が流れる。