双姫 Ⅰ



『…混乱させたみたいだな?』


無理もないか。
いきなり正体知っただけでも驚くだろうから。


『でも、これだけは譲れない。
アイツらには黙ってて欲しい。』


「……分かりました。
でも、無理だけはしないで下さい。」


『…あぁ、努力するよ。』


それは約束出来ないけどね。


「あの!
俺らの総長達は昔、
貴女に助けて貰った事があると言ってました!」


は?私が玲達を??


「最初は『双覇』じゃなくて
『蓮覇』だったらしいです。

でもそん時は
まだ下っ端で他の族にヤラれてた時に
貴女が助けてくれたと。」


思い出した…。
そうだ、なんで忘れてたんだろう。


「それで自分達がトップになった時、
『双姫』から名を取って
『双覇』になったんです。」


『馬鹿な奴らだな…本当……。』


本当…馬鹿な奴。


『…あの時、助けたのがお前で良かったよ。
疾風、アイツらの事よろしくな。』


私は疾風を残し、屋上を後にした。