「あ、蒼翔…??」
余程驚いたのか慌てる類。
応える代わりに抱き締める力を強めた。
そしたらそれに応えるように
今度は類が私を抱き締めた。
「ハハッ…!!蒼翔、暖かいや……。」
類の声が少し震えてる気がした。
『…たりめぇーだろ、生きてんだからさ。』
「うん…うん…暖かいッ……。」
堰を切ったように泣きじゃくる類。
そんな背中を私は何も言わず擦り続けた。
類、私もね女なんだ。
類を傷付けた母親と同じなんだよ。
初めはなんとも思わなかったけど
最近、男と偽ってると心苦しく感じる。
今更バラしたら類は…皆は離れて行くだろうか。
だから私は、神崎 蒼翔として抱き締めるよ。
辛い思いをして。
苦しんでた幼い類と
それを押し殺してた今の類を。
私はそうする事しか出来ない自分を酷く呪った。



