双姫 Ⅰ



「あ、蒼翔…??」


余程驚いたのか慌てる類。
応える代わりに抱き締める力を強めた。

そしたらそれに応えるように
今度は類が私を抱き締めた。


「ハハッ…!!蒼翔、暖かいや……。」


類の声が少し震えてる気がした。


『…たりめぇーだろ、生きてんだからさ。』


「うん…うん…暖かいッ……。」


堰を切ったように泣きじゃくる類。

そんな背中を私は何も言わず擦り続けた。


類、私もね女なんだ。
類を傷付けた母親と同じなんだよ。

初めはなんとも思わなかったけど
最近、男と偽ってると心苦しく感じる。

今更バラしたら類は…皆は離れて行くだろうか。


だから私は、神崎 蒼翔として抱き締めるよ。

辛い思いをして。
苦しんでた幼い類と
それを押し殺してた今の類を。


私はそうする事しか出来ない自分を酷く呪った。