双姫 Ⅰ



「あ、蒼翔…??」


『……。』


それでも応えてくれない。
でも、その代わりに抱き締める力が
少し強まった気がした。


お返しにと俺も蒼翔に抱き着いてみた。


「ハハッ!!蒼翔、暖かいや……。」


『…たりめぇーだろ、生きてんだからさ。』


「うん…うん……暖かいッ……。」


俺はその温もりに安心したのか
次々と涙が出てきた。


悲しい訳じゃない。
でも…寂しかったんだと。

この温もりが欲しかったんだ。


俺は幼かった何も出来なかった頃の
ガキみたいに泣きじゃくった。

蒼翔があの頃の
俺を抱き締めてくれているようで。

それだけでも涙が溢れたんだ。


ありがとう、蒼翔。

一瞬だけ見えた一筋の涙。
俺の為に泣いてくれて。

待ってて。
今度は俺が蒼翔を救ってみせるから。


類sideEND