偶然にも母さんが男と
手を繋いでいる所を見てしまったんだ。
とてもとても幸せそうに。
俺の知らない女の顔で。
俺を捨てた母さんはそんな事も忘れて笑ってた。
暴力を受けた方がまだマシだった。
綺麗な思い出を
最悪の思い出で塗り替えて欲しかった。
そしたら母さんを憎む事が出来たのに。
だから、俺は女を見る度
どうしても母親の姿とダブるんだ。
そうなると身体が震えて
どうしようもない気持ちになる。
「蒼翔が俺を女達から
助けてくれた時、凄く嬉しかった…。
あの時、動けなくなってたから。」
『………。』
「蒼翔…?」
応えてくれない蒼翔に焦りを感じた。
少しだけ顔を傾け、蒼翔の顔を覗こうとすると
グイッ!!
「うわぁ!?」
いきなり頭を抱き締められた。



