双姫 Ⅰ



「あ、蒼翔!
最初に手を出したのは『双覇』達よ!
紘は対抗しただけで…。」


良いんだ、実基。
今の朱音に何を言っても無駄だ。


『そんなの知ってるよ実基姉。
それでも紘にぃなら
痣を作らずとも勝てた筈だろ??

なぁ、それは『天龍』の恋人である
『優龍』なら分かるよな…?』


「そ、それは…。」


朱音は分かった上で言ってるんだ。
しかも名前じゃなくて通り名で呼んでる。

これは…想像以上に怒らせてしまった。


『どうせ『遊龍』は
負けた『双覇』を罵った…違うか?』


「そ、それは…。」


珍しく芦基がたじろいでる。
それもその筈、
芦基は自分より弱い奴には容赦しないが
逆に強い奴には逆らわない。

俺の言う事聞くんだ。
朱音の言う事はそれ以上に聞く。