双姫 Ⅰ



『…紘にぃが俺を
想ってしてくれたのは分かるし、嬉しい。

でも、痣作るのは話が別なんじゃねぇか?』


「あ、蒼翔!
最初に手を出したのは『双覇』達よ!
紘はそれに対抗しただけで…。」


『そんなの知ってるよ実基姉。
それでも紘にぃなら
痣を作らずとも勝てた筈だろ??

なぁ、それは『天龍』の恋人である
『優龍』なら分かるよな…?』


「そ、それは…。」


『どうせ『遊龍』は
負けた『双覇』を罵った…違うか?』


「え、えっと…。」


『加えて『知龍』は正論ばっか並べて
精神的苦痛を与えた。違うか?』


「……その通りです。」


『…実基姉は………許す。』


「…へ?」


『実基姉は優しいから酷い事言わない。

慧ちゃんも『怒龍』だけど
それは喧嘩してる時だけだし。
普段は情のある優しい人だから…許す。』


「お、おう…。」


そして、呆然としている
紘にぃとの距離を一気に詰め吐き捨てる。


『俺が一番許せないのは『天龍』お前だよ。』


フードを少し上げ、紘にぃを睨み上げた。