紘にぃは知ってたんだ。
邦ヶ丘高校に東条の下っ端が居る事を。

私が父さんや紘にぃの力を借りず、
自分だけで情報を集めている事を
知ってる紘にぃは敢えてそれを話さなかった。

私が望んでいないから。


でも、邪魔しろなんて言ってないよ。


『通って正解だったなぁ?』


口に手を当て、上がる口角を抑える。

周りから見れば
恐怖以外のなんでもないからね(笑)


それにしても一気に情報が手に入った。
しかも重要なモノばかり。


あの時、
助けに行って良かったなと心底思う。


『東条 魁。首を洗って待ってなよ…??』


いつの間に日が落ちたんだろう。
辺りは暗く、その闇に私は迷わず突き進んだ。