『ふ~んふふ~ふ~ん♪♪♪』


路地裏で疾風を助けた私は
上機嫌に鼻歌を歌いながらウィッグを被る。

白い仮面を外し鞄の中に入れ、
さっき聞いた疾風の情報を整理する。


東条 魁。

蛇好きで首にタトゥーあり。

親が政治家で
犯罪を犯しても金で揉み消している。

『蛇蝎』の下っ端が邦ヶ丘高校に居る。


『まさか同じ高校に通ってるとはね。
なんて偶然。いや、必然?』


これで分かった。
紘にぃが電話で様子がおかしかった訳が。


" 紘にぃ聞いて聞いて!
私も邦ヶ丘高校に通う事になった!
母さんがいきなり言い出してさ〜?
もうビックリしたよ(笑)"


" な、なんで朱音が高校に!?
俺が母さんを説得するから!"


" 無駄だよ~(泣)
母さん私よりノリノリなんだもん。
それに情報集められるかもだし♪
だから行く事にした!!"


" それにしても
なんで邦ヶ丘高校なんだよ!"


" …紘にぃ?
私がそこに通ったら何か問題でもあるの?"


" あ、いや…そうじゃない。
ただガラの悪い奴らが多いから。"


" なんだ!そんな事??
大丈夫だよ。なんたって『双姫』ですから!
じゃあ、これからは『神崎 蒼翔』だから
偽の情報流しといてね!"


" ……分かった。"