悟さんは黙ったまま何も言わない。


やっぱり私より仕事のが大事なんだ…。


「悟さん無理しないでね。また会えるとき電話ちょうだい?」


悟さんの返事も聞かずに、一方的に電話を切った。


私って子供だ。


仕事が大事なのは当たり前なのに。


私だって大事にされてないわけじゃないって、わかってても寂しくてしょうがないんだよ。


電話で本当のこと言いたかった。


でも、子供だって呆れられたくないんだもん。


悟さん……会いたいよ。


会いたくて、会いたくて……もう泣きそう…。


ベッドに顔を埋めて、いつの間にか眠りについていた。





あっという間に日は過ぎてお祭りの日がやってきた。


私1人で優月と碧依さんと盛り上がる元気なんてない。


優月に電話して今日のお誘いは断った。


悟さんは悟さんで電話の1つもくれないし。


忙しいのかな…?


もうすぐ6時になる。


私はベッドに寝転んだまま時計に目をやった。


夏休みがこんなにもつまらない。


今までだったら楽しくてしょうがなかったのに。


悟さんとお祭り行きたかったな…。