本当に好きなんだなぁって。


碧依さんを見てても、優月を大事にしてることがわかる。


テーブルに置かれたレモンティーの入ったグラスの氷が、カランと音を立てた。


「いつも愚痴聞いてくれてありがと、優月」


「うん」


お店を出て、優月に手を振った。


今日の夜、悟さんに電話してみよう。





思った以上に時間の経過は早かった。


まだ心の準備が出来てないのに……!


握りしめたケータイから突然流れ出す音楽。


「うわっ?!」


ビックリしすぎてケータイを投げてしまった。


「び、びっくりした…」


ゆっくりとケータイを拾って着信を確認する。


悟さんからの電話だった。


深呼吸して通話ボタンを押す。


「はい…?」


『あ、愛?今日ごめんな?今度ちゃんと埋め合わせするから!』


悟さんはいつもそう言う。


でも結局仕事が入っちゃうんだ。


「大丈夫だよ、気にしてないから。それより今週の土曜日って空いてる?優月たちとお祭り行こうってことになったんだけど」


『えっ、その日は…』


「また……仕事?」