本当に好きなんだなぁって。
碧依さんを見てても、優月を大事にしてることがわかる。
テーブルに置かれたレモンティーの入ったグラスの氷が、カランと音を立てた。
「いつも愚痴聞いてくれてありがと、優月」
「うん」
お店を出て、優月に手を振った。
今日の夜、悟さんに電話してみよう。
*
思った以上に時間の経過は早かった。
まだ心の準備が出来てないのに……!
握りしめたケータイから突然流れ出す音楽。
「うわっ?!」
ビックリしすぎてケータイを投げてしまった。
「び、びっくりした…」
ゆっくりとケータイを拾って着信を確認する。
悟さんからの電話だった。
深呼吸して通話ボタンを押す。
「はい…?」
『あ、愛?今日ごめんな?今度ちゃんと埋め合わせするから!』
悟さんはいつもそう言う。
でも結局仕事が入っちゃうんだ。
「大丈夫だよ、気にしてないから。それより今週の土曜日って空いてる?優月たちとお祭り行こうってことになったんだけど」
『えっ、その日は…』
「また……仕事?」


