長い沈黙のあと、マネージャーがため息をついた。
『おめでとうございます、と言いたいところですが、ダメですよ。CM放送中は。違約金、桁違いですから。』
え!
思ってもみなかった事態だ。
「困るよ。何とかならないの?」
『困るのはこっちですよ。新しいスタジオの建設費用もありますし。違約金払ったら、事務所倒産ですよ。』
……そんなにぃ?
参ったな。
「じゃあ、秋までバレないようにすればいいんだな?」
『……勘弁してくださいよ、一条さん。僕は何も言えません。来週になれば尾崎さんと茂木さんも帰国されますんで、3人で話し合って決めてください。くれぐれも話が漏れないように、お願いします!』
マネージャーがそう言って電話を切ろうとしたので、慌てて止めた。
「待って待って。もう1つ。引っ越したいんだけど。新しいスタジオの近くで~、東大に通いやすいとこ。探してくれる?」
『東大?……一条さん?聴講生でもするんですか?』
俺は苦笑した。
「それもいいな。……結婚する子がさ、東大受験すんの。絶対合格するけど、出産ですぐに休学することになるだろうからさ。」
マネージャーは再び沈黙した。
「もしもーし?聞いてる?」
『聞いてますけど。それ、マジですか?未成年はまずいですよ、一条さん。高校生?浪人生?しかもできちゃった婚!絶対ダメですから!公表できません!』
珍しく強く言い張るマネージャー。
仕方ない、説得して味方につけるしかないか。
「……これから飲みに行かない?長くなるけど、話、聞いてよ。」
知織と出逢って、4年半。
俺にとって、知織がどれだけ大事か。
知織の妊娠が確定すると、すぐに俺は京都へ行った。
「……また微妙な時期に……やってくれましたなあ。」
苦虫を噛み潰したような大村さんに、喜びを抑えきれない俺が頭を下げる。
「私、まだ35歳よ。もうおばあちゃん?しかも孫が、一条くんの子……覚悟してたつもりだけど、やっぱりショックだわ。」
盛大に嘆いてみせる裕子は、そうは言いつつもどこか楽しそうに見えた。
「入籍の時期と、挙式は、知織の受験が終わってから、両家の顔合わせで決めてください。受験までは、知織はうちで勉強に集中させたいと思います!」
知織と決めた段取りを伝えると、大村さんは天を仰いでため息をついた。
「はいはいはい。もう好きにやってくれたらええけど、犬や猫の子ぉあげるんちゃうねんから、結納と式はやってや。あ~、それから、芸能人だらけの披露宴は出えへんから。」
大村さんにそう言われて、俺は慌てて背筋を伸ばした。
「すみません!披露宴は、できません!てか、秋まで結婚も公表できません!」
「はあ~~~~~?」
大村さんの顔が最高潮にイケズになった。
『おめでとうございます、と言いたいところですが、ダメですよ。CM放送中は。違約金、桁違いですから。』
え!
思ってもみなかった事態だ。
「困るよ。何とかならないの?」
『困るのはこっちですよ。新しいスタジオの建設費用もありますし。違約金払ったら、事務所倒産ですよ。』
……そんなにぃ?
参ったな。
「じゃあ、秋までバレないようにすればいいんだな?」
『……勘弁してくださいよ、一条さん。僕は何も言えません。来週になれば尾崎さんと茂木さんも帰国されますんで、3人で話し合って決めてください。くれぐれも話が漏れないように、お願いします!』
マネージャーがそう言って電話を切ろうとしたので、慌てて止めた。
「待って待って。もう1つ。引っ越したいんだけど。新しいスタジオの近くで~、東大に通いやすいとこ。探してくれる?」
『東大?……一条さん?聴講生でもするんですか?』
俺は苦笑した。
「それもいいな。……結婚する子がさ、東大受験すんの。絶対合格するけど、出産ですぐに休学することになるだろうからさ。」
マネージャーは再び沈黙した。
「もしもーし?聞いてる?」
『聞いてますけど。それ、マジですか?未成年はまずいですよ、一条さん。高校生?浪人生?しかもできちゃった婚!絶対ダメですから!公表できません!』
珍しく強く言い張るマネージャー。
仕方ない、説得して味方につけるしかないか。
「……これから飲みに行かない?長くなるけど、話、聞いてよ。」
知織と出逢って、4年半。
俺にとって、知織がどれだけ大事か。
知織の妊娠が確定すると、すぐに俺は京都へ行った。
「……また微妙な時期に……やってくれましたなあ。」
苦虫を噛み潰したような大村さんに、喜びを抑えきれない俺が頭を下げる。
「私、まだ35歳よ。もうおばあちゃん?しかも孫が、一条くんの子……覚悟してたつもりだけど、やっぱりショックだわ。」
盛大に嘆いてみせる裕子は、そうは言いつつもどこか楽しそうに見えた。
「入籍の時期と、挙式は、知織の受験が終わってから、両家の顔合わせで決めてください。受験までは、知織はうちで勉強に集中させたいと思います!」
知織と決めた段取りを伝えると、大村さんは天を仰いでため息をついた。
「はいはいはい。もう好きにやってくれたらええけど、犬や猫の子ぉあげるんちゃうねんから、結納と式はやってや。あ~、それから、芸能人だらけの披露宴は出えへんから。」
大村さんにそう言われて、俺は慌てて背筋を伸ばした。
「すみません!披露宴は、できません!てか、秋まで結婚も公表できません!」
「はあ~~~~~?」
大村さんの顔が最高潮にイケズになった。



