「知織ちゃん、いよいよね。東大か浪人して京都に帰るか、だって?」
「そう言われてるみたいです。かわいそうに。痛々しいですよ。」
まゆ先輩はじーっと俺の顔を見た。
「……一条、保護者みたいね。父親気分?」
ふっと笑いが出た。
「父親になったことないのでわかりません。でも自分のことよりつらいです。保護者ってこんな感じですかね?」
からかわれるかと思ったら、まゆ先輩はバンバンと俺の肩を叩いた。
「そうかそうか!あんた、変わったねえ。いいよ!いい!」
粗暴だけどまゆ先輩の気持ちが伝わってくるようで、くすぐったい気分になった。
まゆ先輩が学校に入り、しばらくして今日の日程が終わったらしい。
ゾロゾロと生徒が出てきた。
知織は由未ちゃんと一緒に門から出てきて、そのまま俺のいる道と反対方向へ行ってしまった。
慌てて携帯電話を出して、電話をかける。
……まだ電源を入れてないらしく、留守番電話センターにつながる。
おーい。
車を出して知織を追いかける。
知織は由未ちゃんと、銀のスポーツカータイプの車に乗ろうとしていた。
気づいてくれ……と、クラクションを軽く鳴らした。
知織より、運転席にいた男が反応して車から降りてきた。
……若い知的な優男……和服が似合いそうな、なで肩のスッとした、いかにも上品なお坊ちゃん。
これが由未ちゃんの男、か。
「はじめまして、天花寺(てんげいじ)です。知織ちゃんにはいつも……由未が仲良くしていただいてます。」
慌てて俺も降りようとしたけど、天花寺くんに止められた。
「どうぞ、そのままで。一条さんは目立たれますから。」
「どうも。一条です。こちらこそ、由未ちゃんに世話になりっぱなしで。」
「恭匡(やすまさ)さんにも!由未ちゃんと一緒に毎日送ってもらってるから!」
知織がやってきてそう言った。
「あ!そうでした!ありがとうございます!」
そう言って頭を下げると、天花寺くんは恭しく会釈した。
……貴族的な佇まいにちょっと見とれた。
天花寺くん・由未ちゃんカップルと別れて、知織を車に乗せて送ってく。
「どうだった?」
聞いていいのかどうか……ちょっと遠慮がちに聞いてみた。
「うん。たぶん大丈夫。ほぼ完璧。」
手応えがあったらしい知織の様子に、安堵のため息が出た。
「よかった……。」
でもまだ明日もあるんだよな。
うちに連れて帰りたいけど、我慢しておじいさんとおばあさんの家に送り届けた。
「そう言われてるみたいです。かわいそうに。痛々しいですよ。」
まゆ先輩はじーっと俺の顔を見た。
「……一条、保護者みたいね。父親気分?」
ふっと笑いが出た。
「父親になったことないのでわかりません。でも自分のことよりつらいです。保護者ってこんな感じですかね?」
からかわれるかと思ったら、まゆ先輩はバンバンと俺の肩を叩いた。
「そうかそうか!あんた、変わったねえ。いいよ!いい!」
粗暴だけどまゆ先輩の気持ちが伝わってくるようで、くすぐったい気分になった。
まゆ先輩が学校に入り、しばらくして今日の日程が終わったらしい。
ゾロゾロと生徒が出てきた。
知織は由未ちゃんと一緒に門から出てきて、そのまま俺のいる道と反対方向へ行ってしまった。
慌てて携帯電話を出して、電話をかける。
……まだ電源を入れてないらしく、留守番電話センターにつながる。
おーい。
車を出して知織を追いかける。
知織は由未ちゃんと、銀のスポーツカータイプの車に乗ろうとしていた。
気づいてくれ……と、クラクションを軽く鳴らした。
知織より、運転席にいた男が反応して車から降りてきた。
……若い知的な優男……和服が似合いそうな、なで肩のスッとした、いかにも上品なお坊ちゃん。
これが由未ちゃんの男、か。
「はじめまして、天花寺(てんげいじ)です。知織ちゃんにはいつも……由未が仲良くしていただいてます。」
慌てて俺も降りようとしたけど、天花寺くんに止められた。
「どうぞ、そのままで。一条さんは目立たれますから。」
「どうも。一条です。こちらこそ、由未ちゃんに世話になりっぱなしで。」
「恭匡(やすまさ)さんにも!由未ちゃんと一緒に毎日送ってもらってるから!」
知織がやってきてそう言った。
「あ!そうでした!ありがとうございます!」
そう言って頭を下げると、天花寺くんは恭しく会釈した。
……貴族的な佇まいにちょっと見とれた。
天花寺くん・由未ちゃんカップルと別れて、知織を車に乗せて送ってく。
「どうだった?」
聞いていいのかどうか……ちょっと遠慮がちに聞いてみた。
「うん。たぶん大丈夫。ほぼ完璧。」
手応えがあったらしい知織の様子に、安堵のため息が出た。
「よかった……。」
でもまだ明日もあるんだよな。
うちに連れて帰りたいけど、我慢しておじいさんとおばあさんの家に送り届けた。



