おいてけぼりティーンネイジャー

「天ぷらそばって苦手ねんけど、これ、美味しい……」
あと数時間で年が改まる。

「油が違うっぽいよ。あっさりしてるね、ほんと。」
こんなに喜んでくれるならもっと早く料理人を頼めばよかったな。

「今夜も遅くまで、頑張るの?」
「そのつもりだったけど、これ、食べちゃったから寝ちゃいそう。……やっぱりお腹いっぱいだと脳が働かへん気がする……」
確かに知織は、ぼーっとしているように見えた。

「そっか。うん。寝ろ寝ろ。明日また新たな気持ちで頑張ればいいよ。」
俺がそう言うと、知織はニコーッとうれしそうに笑った。

……かわいい。
安心したのだろうか。

知織は、食後のお茶を飲み干す前に寝入ってしまった。
なんか、壮絶だな。
真面目な子だとは知ってたけど、放置しておくとここまで自分を追い込むのか、と空恐ろしくなる。
強迫観念で受験勉強してるのかな。
かわいそうに。

起こさないように、なるべくそーっと抱き上げてベッドに運んだ。
耳を澄ましても除夜の鐘も聞こえない。
初詣に連れてってやりたいけど、やっぱりまずいかな。

……ごめんな。
そっと横に添い寝して、知織の寝顔を見てるうちに俺も寝てた。


心地よい暖かさを感じて目を開けると、知織が俺に抱きついてきたようだ。
「……起きたの?」
「あ。起こしてしもた。ごめん。」
知織がそう言って、ピトッとさらに俺にくっついてきた。

「いや、俺はいいけど。知織はもっと寝たほうがいいんじゃない?」
「3時間ほど寝たみたい。」
……朝まで寝てりゃいいのに。

「……あのね……」
もじもじと知織が言い淀む。
「ん?」

暗くてよく表情が見えないので、枕元のあかりを付けた。
ガレの柔らかいランプのあかりのもとでも、知織が頬を染めて潤んでいるのがわかった。

甘えたいのか?
俺は、よしよし♪頭を撫でながら、抱き寄せた。

目を閉じてじっとされるがままになっている知織。
……ちょっと違ったか。
もしかして、抱いて欲しいのか?

知織のほうからすり寄ってくることも少ないし、ましてや求められたことはなかった。
半信半疑でキスしてみる。
……抵抗しない。

いいのかな?
いいのかな?
いいのかな?
そういや、久しぶり?

知織が、成績が下がった~って泣きついてきてから、ずっと邪魔しないように遠慮してたっけ。
あまりにも一生懸命がんばってるから、よこしまな気持ちも封印してたよ。

ほんとに、いいのかな?
そーっと知織の服を開いてく。

もじもじはしてるけど、嫌がってはいないようだ。

いいのかな?
いいのかな?

……「いいの?」なんて聞くのも野暮な気がして、結局、知織の反応を見ながら抱いた。