「というわけで、俺だけ年末の挨拶に参りました~。知織、ちゃんと受験勉強やってますんで、安心してください!」
12月29日。
大阪でのツアーファイナルのコンサートの前に、京都の知織の実家を訪ねた。
……知織も由未ちゃんも、今年は東京のクリスマスコンサートにも、大阪のコンサートにも観に来ず、東京でずっと受験勉強に打ち込んでいる。
冬休みになってからは、おじいさんおばあさんに合宿と称して由未ちゃん家に泊まり込む……ということにして、知織は俺の部屋にいる。
睡眠時間を削って勉強していることを、俺は裕子と大村さんに説明した。
「……もう……好きにしたらええわ。何、ちゃっかり同棲体験してますんや。」
大村さんにそう言われて、俺は慌てて否定した。
「や!そんな楽しいこと、何もしてないです!ホントに!受験勉強に集中してますから!」
裕子は完全に苦笑いしていた。
「知織は頑固だから東大以外考えてないと思うけど……落ちて浪人するなら京都に帰らせるから。手元に置いておきたいなら滑り止め受けるよう勧めたほうがいいわよ?」
……そうだよな。
その通りだと思うけど……何せ、知織だからなあ。
絶対、志望校下げるとか、保険かけるとか、しないよな。
「意地でも東大に合格してもらう、しかなさそう。」
俺も苦笑してそう言うしかなかった。
コンサートが終わった翌朝、俺は東京へと飛んで帰った。
駅のデパ地下でお総菜や弁当を買い込んで帰宅。
知織はライティングビューローに突っ伏して寝ていた。
2日留守にしただけなのに、やつれたみたいだ。
目の下のくまも、こけた頬も、乾いた唇も痛々しい。
「知織。こんなところでうたた寝したら風邪引くよ。」
耳元でそう言ってみたけど、起きる気配がない。
仕方なく引っ張り起こして、抱き上げてベッドへと運んだ。
……ろくなもん喰ってないんだろうな。
潮時かもしれない。
しばらくすると、知織が目覚めたらしい。
「……暎さん、お帰りなさい。1年間お疲れ様でした。」
「ただいま。知織の実家、寄ってきたよ。挨拶してきた。」
俺がそう言うと、知織は眉間に皺を寄せた。
「……言わずもがななことを、わざわざ……」
「だって、挨拶したかったんだもん。」
軽くそう言ってから知織に尋ねた。
「ちゃんと飲み食いしなかったろ?やつれてるよ。」
めっと軽く小突くと、知織はちょっと赤くなった。
「食べたで……お掃除のかたが、見かねて、チャーハン作ってくれはってん。美味しかったわ。」
契約外のことまでやってくれたんだ。
「そう。じゃ、お礼差し上げないとね。……いつものヒト?」
知織はうんうんとうなずいた。
12月29日。
大阪でのツアーファイナルのコンサートの前に、京都の知織の実家を訪ねた。
……知織も由未ちゃんも、今年は東京のクリスマスコンサートにも、大阪のコンサートにも観に来ず、東京でずっと受験勉強に打ち込んでいる。
冬休みになってからは、おじいさんおばあさんに合宿と称して由未ちゃん家に泊まり込む……ということにして、知織は俺の部屋にいる。
睡眠時間を削って勉強していることを、俺は裕子と大村さんに説明した。
「……もう……好きにしたらええわ。何、ちゃっかり同棲体験してますんや。」
大村さんにそう言われて、俺は慌てて否定した。
「や!そんな楽しいこと、何もしてないです!ホントに!受験勉強に集中してますから!」
裕子は完全に苦笑いしていた。
「知織は頑固だから東大以外考えてないと思うけど……落ちて浪人するなら京都に帰らせるから。手元に置いておきたいなら滑り止め受けるよう勧めたほうがいいわよ?」
……そうだよな。
その通りだと思うけど……何せ、知織だからなあ。
絶対、志望校下げるとか、保険かけるとか、しないよな。
「意地でも東大に合格してもらう、しかなさそう。」
俺も苦笑してそう言うしかなかった。
コンサートが終わった翌朝、俺は東京へと飛んで帰った。
駅のデパ地下でお総菜や弁当を買い込んで帰宅。
知織はライティングビューローに突っ伏して寝ていた。
2日留守にしただけなのに、やつれたみたいだ。
目の下のくまも、こけた頬も、乾いた唇も痛々しい。
「知織。こんなところでうたた寝したら風邪引くよ。」
耳元でそう言ってみたけど、起きる気配がない。
仕方なく引っ張り起こして、抱き上げてベッドへと運んだ。
……ろくなもん喰ってないんだろうな。
潮時かもしれない。
しばらくすると、知織が目覚めたらしい。
「……暎さん、お帰りなさい。1年間お疲れ様でした。」
「ただいま。知織の実家、寄ってきたよ。挨拶してきた。」
俺がそう言うと、知織は眉間に皺を寄せた。
「……言わずもがななことを、わざわざ……」
「だって、挨拶したかったんだもん。」
軽くそう言ってから知織に尋ねた。
「ちゃんと飲み食いしなかったろ?やつれてるよ。」
めっと軽く小突くと、知織はちょっと赤くなった。
「食べたで……お掃除のかたが、見かねて、チャーハン作ってくれはってん。美味しかったわ。」
契約外のことまでやってくれたんだ。
「そう。じゃ、お礼差し上げないとね。……いつものヒト?」
知織はうんうんとうなずいた。



