おいてけぼりティーンネイジャー

……あ~。
そっか……。

「ごめん。そんな想いさせてたんだね。これからはこっちで買ってもらっておくよ。」
「もう!誰に頼むって言うねんな!……せやから今まで言えへんかったのに……」

知織は鼻水をすすってから、また俺にしがみついて声をあげて泣いた。
え~と~……。
つまり、いろんな理由が重なってのストレスで泣いてるのか?
参ったな。

「ごめんね。」
そう言って、俺にしがみついている知織を巻き込むように一緒にベッドに横臥した。
腕だけじゃなく足もからめて抱き枕のように。
ぐじぐじ泣いてる知織の背中をさすって落ち着くのを待った。

しばらくすると、小さな寝息が聞こえてきた。
……知織、寝たのか。

よっぽどつらかったんだろうな。
いつもはこんな風に感情をぶつけてくる子じゃないから、本気で知織が心配になった。

ずっとどれだけのプレッシャーを感じて、1人で頑張ってきたんだろう。
俺が支えてやらなきゃいけないのに……俺も追い詰めてたんだよな。
ごめんな。

受験が終わるまでは、我慢するか、避妊具付けてするか。
知らず知らずのうちに、ため息が出た。
簡単なことなのに、かわそいそうなことをしてしまったな。
俺は知織を起こさないように、そっと、でもぎゅっと抱きしめた。


モソモソと動く気配……俺、寝てたのか。
目を開けると、知織と目が合った。
「……ごめんなさい。」
知織が恥ずかしそうにそう言った。
いつもの知織に戻ったらしい。

「いや、俺のほうこそ、ごめん。」
俺がそう言うと、知織は泣きそうな顔になった。
また泣くのか?

ちょっと慌てたけど、知織はぷるぷると首を横に振って涙を振り払ったようだ。
「八つ当たりやわ、私の。」
目の下のくまがいたましい。
睡眠時間も削って受験勉強してるんだろう……。

「いいよ。いくらでも八つ当たりしてくれて。」
俺はそう言って、知織のまぶたに口付けた。
「知織は弱音もワガママも言わないから、たまにはいいんじゃない?」

……いつもなら困るけど。

「ありがと。うれしい。」
知織は微笑みを見せて、するりと俺の腕から逃れて起き上がった。
「ごめんね。寝てるとこ起こして。寝直さはる?」

「……いや、起きるよ。」

いつもの知織に戻っちゃったな。

ちょっと淋しい気がして、俺も慌てて起きた。