おいてけぼりティーンネイジャー

「……学校で、暎さんが話題にのぼることが増えて、そのたびに反応して由未ちゃんに笑われるねん。」
知織がそう言うぐらい、認知度も好感度も上がったらしい。

「由未ちゃん、元気になったんだ?よかったね。」
……一時、事故に遭って意識が戻らない……と、知織が毎日泣きながら病院に詰めていたのを思い出した。

「うん。恭匡(やすまさ)さんがずっとついてくれてはるから。登下校も車で送り迎えしてくれてはるし。……私も、毎日一緒に送ってもろてるんですよ。」
ニコニコと俺にそう言う知織にちょっとだけムッとして、頬を軽くつねる。

「なんで?」
驚いて頬をおさえる知織のかわいい鼻を軽くつまんだ。

「俺以外の男の話でうれしそうな顔してるから。」
知織は赤くなってから口をとがらせた。
「……由未ちゃんの話やのにぃ。」

わかってるよ。
わかってても、そんなにかわいい顔して他の男の名前を呼ぶだけで、嫌なんだよ。
自分でも呆れるほど、俺は知織が好きで、独占欲の塊なんだから。

「時間の問題やと思うねん。由未ちゃんと恭匡さん。早く幸せいっぱいの由未ちゃんが見たいわ……」
俺が知る由未ちゃんは無邪気な少女だったけど、こっちに来てからは波瀾万丈だったらしい。

「幸せ過ぎると受験勉強に身が入らないんじゃなかったっけ?」
……つい、受験を理由にお預け喰らってる気分の俺はそうぼやいた。

「けじめと集中力があれば、大丈夫。由未ちゃんも私も、ずっと訓練してきてるもん。」
知織は自信たっぷりに笑った。

その笑顔を見て、俺もニッと笑って知織に抱きついた。
「……え?……あの……」
「今、言ったもん。大丈夫、って。」
知織の身体をまさぐり、首筋に唇を這わせる。

「ええと……じゃ、シャワーを浴びてから……」
じたばたする知織を逃さないように、知織を抱く腕に力を込めた。
「そのままでいいよ。」

「……私が嫌なのに……今日、体育あったから汗もかいたし。……ね、お風呂、お風呂。どうせ今日泊まるねんし、そんな十代みたいにがっつかんでも……」
何の気なしに言ったのだろう知織の言葉に、俺はひっかかった。

「……ふうん?知織は十代の男も、知ってんだ?」
「はあっ!?」
知織が本気で怒ったのがわかった。

その反応に内心ホッとしたけど、俺は目を合わさずに軽く耳朶を噛んだ。
「痛っ!……もう!比喩やんかっ!わかってはるくせに……」
わかってるよ。
でも、もう止まらないから。
俺の高まりを、知織に受け止めてほしい。

「わかんないよ。俺のそばにいない時、知織がどんな顔を他の男に見せてるのか、どんな声を聞かせてるのか……気になって気になってしょうがない。」
そう言って、知織の耳の穴に舌を入れる。

「……やぁ……もう……イケズ。」

首をすくめて必死に俺から逃れようとする知織をがんじがらめに押さえつけ、そのままソファで抱いた。