数ヶ月ぶりにやっと取り戻した幸せな日々。
毎日、目覚めれば知織が居る……それがどんなに尊いか。
俺はこれまで以上に、知織と話す時間を大事にしていた。
「ユニセックス……男女兼用の化粧品ってこと?」
俺が聞き返すと、知織は首をかしげた。
「化粧品かなあ?香水とか、イロイロあるんちゃいます?」
「ふーん……知織と一緒に使えたらいいね。」
知織の片頬がヒクッと痙攣のようにひきつった。
「……暎(はゆる)さんと共用は……私、似合わへんかも。」
地味というか……あくまで上品なお嬢様然とした知織とは、容姿の雰囲気は確かに俺とは相容れないか。
ま、何でもいいよ、知織だから。
俺は化粧っ気の全くない知織の頬に口付けると、それ以上、手を出して勉強の邪魔をしないように、読みたくもない本を手に取って開いて読むふりをした。
知織はまたノートに目を落とすと、真剣な顔になり勉強に集中した。
俺は本を開いたまま、ただ知織を見ていた。
本当にそれだけで幸せに満たされた。
夕方、知織を送ってって、その足でスタジオへ入る。
夏休みがずーっと続けばいいのに。
俺はまるで小学生か中学生のように、本気で願っていた。
秋になり、ツアーが始まった。
それだけでも忙しくなるのに、CMの話も着々と進んだ。
海外ブランドらしく分厚い契約書を交わし、曲を作り、CM撮影に臨んだ。
貴族っぽい白いフリルとドレープたっぷりのシルクのシャツに、光沢のある黒いパンツ。
顔にはさしてメイクを加えられなかったが、爪は黒を基調にネイルアートを施された。
十字架、マリア像、白い洋館、嵐の夜景、薔薇園。
終始、耽美な雰囲気の中でモデルのように、ひたすらいろんなポーズを撮影された。
とりあえず、ユニセックスの基礎化粧品、日焼け止め、ハンドクリーム、オーデコロン……あたりのCMらしいが、演ってる本人には何が何だかさっぱりわからない。
この黒い爪のネイルアートには何の意味があるんだろう。
これから売り出すのか?
「ま、いいじゃないですか。そのままコンサートしちゃいましょ。爪、素敵ですよ。」
スタッフにそうおだてられ、俺はスタイリストさんにネイルもしてもらうようになって……ますます派手になっていった。
CMの放映が始まると、周囲の目も変わった。
公然と王子様扱いされて、笑ってしまう。
毎日、目覚めれば知織が居る……それがどんなに尊いか。
俺はこれまで以上に、知織と話す時間を大事にしていた。
「ユニセックス……男女兼用の化粧品ってこと?」
俺が聞き返すと、知織は首をかしげた。
「化粧品かなあ?香水とか、イロイロあるんちゃいます?」
「ふーん……知織と一緒に使えたらいいね。」
知織の片頬がヒクッと痙攣のようにひきつった。
「……暎(はゆる)さんと共用は……私、似合わへんかも。」
地味というか……あくまで上品なお嬢様然とした知織とは、容姿の雰囲気は確かに俺とは相容れないか。
ま、何でもいいよ、知織だから。
俺は化粧っ気の全くない知織の頬に口付けると、それ以上、手を出して勉強の邪魔をしないように、読みたくもない本を手に取って開いて読むふりをした。
知織はまたノートに目を落とすと、真剣な顔になり勉強に集中した。
俺は本を開いたまま、ただ知織を見ていた。
本当にそれだけで幸せに満たされた。
夕方、知織を送ってって、その足でスタジオへ入る。
夏休みがずーっと続けばいいのに。
俺はまるで小学生か中学生のように、本気で願っていた。
秋になり、ツアーが始まった。
それだけでも忙しくなるのに、CMの話も着々と進んだ。
海外ブランドらしく分厚い契約書を交わし、曲を作り、CM撮影に臨んだ。
貴族っぽい白いフリルとドレープたっぷりのシルクのシャツに、光沢のある黒いパンツ。
顔にはさしてメイクを加えられなかったが、爪は黒を基調にネイルアートを施された。
十字架、マリア像、白い洋館、嵐の夜景、薔薇園。
終始、耽美な雰囲気の中でモデルのように、ひたすらいろんなポーズを撮影された。
とりあえず、ユニセックスの基礎化粧品、日焼け止め、ハンドクリーム、オーデコロン……あたりのCMらしいが、演ってる本人には何が何だかさっぱりわからない。
この黒い爪のネイルアートには何の意味があるんだろう。
これから売り出すのか?
「ま、いいじゃないですか。そのままコンサートしちゃいましょ。爪、素敵ですよ。」
スタッフにそうおだてられ、俺はスタイリストさんにネイルもしてもらうようになって……ますます派手になっていった。
CMの放映が始まると、周囲の目も変わった。
公然と王子様扱いされて、笑ってしまう。



