「そもそも本、読まないし。しおりなんか使ったこともない。……なんで?」
私は慌てて誤魔化した。
「あ~、いえ。祖父の書斎でいくつか見つけたので。宝探しみたいで楽しいなあ、と。」
平原先生は首をかしげてたけど、何かに思い当たったらしく、そのまま黙ってしまった。
沈黙が広がる。
「あの……」
ずっと黙ってる平原先生が何を考えてるのかわかりかねて、声をかけてみた。
「そろそろ教室行きなさい。朝礼はじまるわよ。」
平原先生はそう言って、私に背中を向けた。
それ以上何も言うつもりがない、ということか。
「ほな、失礼します~……」
そう言って体育教官室を出ようとしたら、平原先生がポソッと言った。
「……ら、いらっしゃい。」
前のほうが聞き取れなかった。
とりあえず、今はまだパズルのピースが足りないらしい。
私は頭を下げて、教官室を出た。
平原先生経由でお母さんのクローバーが暎さんの手元に渡った……そんな可能性もあるかと思ったんだけど……違ったか。
偶然かなあ。
納得いかないなあ。
お昼前に学校が終わると、暎さんのお部屋へと急いだ。
「セーフ!今日は早く出るって言うてはったから、慌てて来てん。」
それでももうお出かけ準備を始めてた暎さんの背中にしがみついた。
「おはよ。今日も弾けてくるわ。……明日、何時の新幹線?」
「ん~と、夕食までに京都に帰ることになってる。」
暎さんはうーん……と考えてから、うなずいた。
「じゃ、お昼過ぎに迎えに行くよ。」
「大丈夫?今日、打ち上げ遅くなるんちゃうの?」
……イベントや記念日やツアーファイナルの日はもちろんだが、関東のコンサートには業界人も多数来るらしく打ち上げが盛り上がるらしい。
たぶん今夜も……明け方まで飲んで騒がはるんやろうに。
「うん。たぶん。でも荷物も多いだろうし、東京駅まで送ってあげたいから。」
……う……甘やかされてる……。
「ありがとうございます。でも無理せんとってくださいね?スーツケースやからゴロゴロ引っ張るし。」
暎さんは私の頭を撫でてくれた。
「あ、そうだ!これ!」
私は暎さんの書架から取ってきたレミ・ド・グールモンの詩集を見せた。
「お好きなんですか?」
暎さんは表紙を見て苦笑した。
「ああ。好きだよ。でも、曰く付き。」
ほう!?
私は激しく食いついた。
私は慌てて誤魔化した。
「あ~、いえ。祖父の書斎でいくつか見つけたので。宝探しみたいで楽しいなあ、と。」
平原先生は首をかしげてたけど、何かに思い当たったらしく、そのまま黙ってしまった。
沈黙が広がる。
「あの……」
ずっと黙ってる平原先生が何を考えてるのかわかりかねて、声をかけてみた。
「そろそろ教室行きなさい。朝礼はじまるわよ。」
平原先生はそう言って、私に背中を向けた。
それ以上何も言うつもりがない、ということか。
「ほな、失礼します~……」
そう言って体育教官室を出ようとしたら、平原先生がポソッと言った。
「……ら、いらっしゃい。」
前のほうが聞き取れなかった。
とりあえず、今はまだパズルのピースが足りないらしい。
私は頭を下げて、教官室を出た。
平原先生経由でお母さんのクローバーが暎さんの手元に渡った……そんな可能性もあるかと思ったんだけど……違ったか。
偶然かなあ。
納得いかないなあ。
お昼前に学校が終わると、暎さんのお部屋へと急いだ。
「セーフ!今日は早く出るって言うてはったから、慌てて来てん。」
それでももうお出かけ準備を始めてた暎さんの背中にしがみついた。
「おはよ。今日も弾けてくるわ。……明日、何時の新幹線?」
「ん~と、夕食までに京都に帰ることになってる。」
暎さんはうーん……と考えてから、うなずいた。
「じゃ、お昼過ぎに迎えに行くよ。」
「大丈夫?今日、打ち上げ遅くなるんちゃうの?」
……イベントや記念日やツアーファイナルの日はもちろんだが、関東のコンサートには業界人も多数来るらしく打ち上げが盛り上がるらしい。
たぶん今夜も……明け方まで飲んで騒がはるんやろうに。
「うん。たぶん。でも荷物も多いだろうし、東京駅まで送ってあげたいから。」
……う……甘やかされてる……。
「ありがとうございます。でも無理せんとってくださいね?スーツケースやからゴロゴロ引っ張るし。」
暎さんは私の頭を撫でてくれた。
「あ、そうだ!これ!」
私は暎さんの書架から取ってきたレミ・ド・グールモンの詩集を見せた。
「お好きなんですか?」
暎さんは表紙を見て苦笑した。
「ああ。好きだよ。でも、曰く付き。」
ほう!?
私は激しく食いついた。



