おいてけぼりティーンネイジャー

辰野金吾の桃山御殿風な玄関で車から下ろしてもらうと、さらに浴衣はそぐわなかった。
せめてワンピースに着替えればよかった。

明日着る予定の荷物をホテルのヒトに持ってもらい、クラッシックな内装にため息をつきつつお部屋に案内していただいた。

たぶんスイートルームなんだろうなあ。
広い落ち着いた室内には、大きなクイーンサイズのベッドとセミダブルぐらいのベッドが並んでた。

テーブルに準備されたお花とフルーツだけでも素敵なのにドリンクと小さなケーキの並んだトレイが運ばれてきた。
美味しい!

サクサク食べてると、暎(はゆる)さんが到着したようだ。
「おかえりなさい。お疲れさまでした~。今夜も盛り上がった?」

暎さんに駆け寄ると、いきなりふわっと抱き上げられて、キスされた!
んんっ!?
お姫さまだっこ&キス!?

そのまま、ソファじゃなくて大きなベッドにそっと落とされて、さらに深いキス。
もしかして、このままH突入ですか?
いや、シャワー浴びたいんですけど。
たぶん暎さんはコンサート会場で汗を流して来てるだろうけど、私はけっこう汗かいたまま。
恥ずかしい!

「暎さ……しゃわ……」
私の言葉を塞ぐように、暎さんはさらに激しく口中を席巻した。
息もつけないぐらい、長いキスの後、やっと暎さんが私の唇を解放してくれた。

瞳が……いつもと違った。
充血してるわけじゃないのに、赤い印象を受けた。
ちょっと怖い。
でも、身体が動かない。

暎さんは、口元に不敵な笑みさえ浮かべて、私を組み敷いた。
首筋に唇と舌を這わせてながら、手が……浴衣の胸元に滑り込んできた。
思わず声が出た。

「もっと鳴いて。知織を抱いてるって確認してたい。」
暎さんはそう言って、もう片方の手で、浴衣の裾を割った。
私は、パニクってしまって、可愛い声じゃなくて変な声ばかりあげてしまってた……気がする。

すっかり暎さんに翻弄されてしまった。

大好きなヒトとの初体験は、想像していたロマンティックなものではなく動物のような気分になった。
でも、激しく求められることが幸せだった。
少しの痛みと出血にちょっと感動した。


3時……か。
手足が冷たく感じて目覚めたら、わああっ!
暎さんも私も、裸に近い格好で、衣服の残骸が申し訳程度に身体にへばりついていた。
しかも、重なるように抱き合って寝てしまってたみたい。

ねえ?
何回しはった?
避妊したっけ?
……してはらへん気がする!!

えーとー……こないだの生理はいつだったっけ?

……。

ま、いっか。
いや、よくないけどさ。