学校について、靴を履き替え、教室へ向かう。

漫画とかだったらここで誰かとばんってぶつかって、すみません…って顔を上げたらイケメンで…

みたいな展開なんでしょ?わかる。

でもね… この学校はさ…


「琉叶、百杏おはよーさん」

「んお、りくりくおはよ」

「もうそのあだ名やめろって」

「いーじゃん、ね?百杏」

「…」

「無視かいっ!」


「あ、おはよーう」

「おはよおはよ!あ、ピン取れそうだよ」

「まじ?ありがとー」


… そう。 知ってる人しかいないわけ。

小学校からずーっと一緒。田舎だからクラスは1クラス。

転校生も…来るはずなく。

先生と、学校と、服装が変わったくらいで。

… つまらん。


「あーっ!つまんない!知ってる人しかいない!」

「まあ…しょうがない」

「先輩だって知ってる人だけだしー。運命の出会いがない!」

「中学生で求めちゃーだめでしょ。」

「うー。」


教室について、席に座ってみる。

右にも左にも見たことある顔のみ。

…つまらあん!!

あ、ちなみに百杏とは前後の席。クラス人数少ないし、意外と出席順近いしね。