「何で逃げようとしねぇんだよ!!」

一人の男性がナイフを弾き飛ばした

「ほら!!早く走れ!」

私の右手首を掴み
男性が叫ぶ、私は助かりたい一心で思いっきり地面を蹴り
走り出す

「ゴホッ・・・、ケホッ!!」

ナイフを持った男性から何とか逃げ延びると
いきなり走ったせいで私は激しく咳き込む

「・・・大丈夫か?」

「あ、えっと・・・大丈夫です」

男性は舌打ちすると
私の傷口を軽く触る

「っ゛!?」

私はあまりの痛みに声にならない悲鳴をあげる

「はぁ・・・これの何処が大丈夫なんだよ」

「ご、ごめんなさい」

なんだろう・・・
この男性と一緒に居ると安心する・・・

「あ・・・」

緊張の糸がほどけたせいか
私はその場に倒れる