…「 はぁ。」
…「今日も怒られたし。」
…「家帰りたくないな。」

公園のブランコで呟く。
もう、空は暗くなってきた。
時計を見ると5時になっていた。
重たい腰を上げて背伸びをした。

そばに止めてある自転車を動かした。
「あの家にわたしのいるところはない。」
そう言いながらゆっくりとこいでいった。

家につき、重いカバンを持って玄関のドアの前まで行った。

「…ただいま。」
「おかえりー。美咲、こんな時間ま
でなにしてたの。」
「友達としゃべってた。」

ほんとは友達なんていない。学校でもうまくいってない。
階段を駆け上がって、自分の部屋に逃げ込むようにしてドアを閉めた。
息があがって、疲れた。
涙が出てきた。

ふと、立ち上がって窓の外を見た。もう外は真っ暗。
電気をつけた自転車が通る。
「あ、あの子学生だ。」
ボソッとつぶやいた。するとその学生はこちらを見た。
「男子だ。」
男子は嫌い。
うるさいし、ギャーギャー騒ぐし。嫌がらせしかしない。
でも、ドキッとした。なんでだろ。
そう思って窓の外を見たら、もういない。
「あたりまえか。」

それからご飯を早く食べて寝た。