ギギギ・・・・・・・・・・・・ギシ・・・・・ギシ・・・・・ギシ・・・ギシ
ギギギ・・・・・ギギギ・・・・・ギシ・・・・・ギギギギギ・・・・
ギギギギ・・・ギギギ・・・・ギシギシ・・・・・ギイ・・・・・・・・・


「おかえりなさいませ、御主人様。」
「ただいま。」
「御主人様、クロメ様、どうぞこちらへ。」
「ありがとう。行くよ、クロメ。」
「・・・・・うん。」

エメルに手を引かれて大きな扉の前に来たクロメは不安そうだった

「大丈夫、僕がいるから。」
「・・・・・・うん。」

エメルは扉を開き、中へ入って行く

『お、お帰りかい?予定よりも1時間遅いじゃないか。』

部屋の奥からハスキーボイスの声がする
奥へ行くと金髪長髪、鋭い目つきをした女性が立っていた

「ゼヴェル・・・ごめんなさい。」
「良いっての。ん、そっちの嬢様が妹様かい?」
「ああ、名前は・・・クロメって言う。」
「そっか、大変だったろ。私はゼヴェル、アタシはエメルの教育係。」

ゼヴェルはクロメの頭を撫でつつ笑顔で自己紹介をする

「気軽にゼヴェルおねーさんでも良いんだよ?」
「・・・・・ゼヴェルお姉様・・・・・・・・?」
「可愛い可愛い。あ、クロメの教育係兼ね執事は隣の部屋で休んでるから。」
「分かった、また来るよ。」
「ああ。」

隣の部屋のドアの前に立ってノックする

『お入りになって下さいませ。』

「失礼します。」

中に見えたのは眼鏡に銀髪の長髪、ゼヴェルと正反対の男性がいた

「・・・貴方がエメル様ですね?」
「はい。」
「そしてそちらがクロメ様?」
「・・・・・クロメです・・・。」
「言葉は話せるみたいですね・・・では自己紹介を。」

男性は胸に手をおいて

「私はウェル・ベクスト・ハーヴェル。ウェルで構いません。」

と言ってお辞儀をして、クロメの手にキスをした

「忠誠を持って貴女に仕えます。お嬢様。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お兄様・・・・?」

不安そうにエメルを見るクロメ

「ウェルさんはクロメと何時も一緒にいる存在になるからね。」
「・・・・・クロメはこのひとといっしょ・・・・?」
「うん。」
「お兄様がそう言うのなら・・・・・。」

ウェルは深々とお辞儀をして

「明日からはお嬢様には私が付き添います。エメル様、ありがとうございました。」

と言いながら優しく笑った