クロメは、ひとりでした

すこし、さびしかったです

フユがきて、またフユがきたときでした

きょうかいの、おおきなトビラがひらいたのです

クロメは、おとうさまのじっけんしつににげました

そして、おとうさまがもっていた、おおきなハサミをもちました

ぎし、とあしおとがして、おとこのひとがじっけんしつにはいってきました

クロメはいいました

「はじめまして。こんにちは。」

おとこのひとはおどろいたかおをして

「こんにちは。こちらこそ、始めまして。」

「僕はエメル、君の兄だよ。」

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クロメの、かぞくは、おとうさまだけ

「クロメの、かぞくは、おとうさまだけ」

ほかに、だぁれもいない

「ほかに、だぁれもいないよ。」

「違うよ、クロメと僕の父さんは一緒だけど・・・母が違うだけだよ」

この、おとこのひとのいっていることは、よくわからない

「・・・・・・・・・・?」

「僕は君と同じ父から産まれたんだ。」

おとうさまから、生まれた・・・・・?

「おとうさまは、あなたを生んだの?」

「少し違うけど・・・何時か解る日が来るよ。」

おとこのひとは、クロメに、てをさしのべて

「一緒においで。兄として、君をもう悲しませない。」

おとこのひとは、クロメに、言いました