ここはヴァロザッグと言う小さな街

この街は森に囲まれていて誰にも知られていない

その街の奥に教会があった

僕は教会に足を踏み入れた

バルドルーク教会、通称「黒の教会」

黒の教会の中の実験室には1人の人形少女がいて

巨大な鋏を構えながら言ったのだ

「はじめまして。こんにちは。」

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私の名前はクロメ

人間の心を持ち、人間の言葉を使う

クロメが人間と違うのは3つだけ

クロメには心臓が無い

クロメには老化と言うものが無い

クロメには性別が無い

クロメは300年くらい前に老人に作られたホムンクルス

老人はヴァロザッグの教会で70年もホムンクルスの実験を試していた

やっと生まれたのがクロメでだった

老人はクロメを出来る限りに育てた

言葉、心、世界、いろいろな事を教えた

クロメが生まれて10年が過ぎた

老人は寿命で死んでしまう

クロメは独りになった

教会で独り、毎日を送った