本当はもっと頼ってほしい気持ちがある。

いつもひとりでなんとかしようとするリリーを、アランはその度にもどかしい思いで見守ってきた。

素直になれず、憎まれ口ばかり言ってしまう自分の性格にも原因がある気がするけれど。

リリーが助けを求める男がいるとすれば、それは自分であってほしい。

自分にとって、リリーが特別な女の子だと気づいたのはいつのことだっただろうか。

しばらく黙ってリリーの横顔を見ていたアランは、無意識にため息をこぼすと再び頬杖をつき、窓から見える真夜中の王都の街並みに視線を移す。

見慣れた景色を、ただ静かに眺めていた。