窓辺にもたれかかるようにして立つクリフォードがつまみ上げたそれは、ゆらゆらと揺れる度に陽の光を浴びてキラキラと輝いている。

昨夜リリー達が城を後にしてから、クリフォードが自室で見つけたものだ。

宝石が散りばめられた、片方だけのイヤリング。

朝早くから城まで探しに来るとは、よほど大切なものなのだろう。

「さて、どうしようか」

クリフォードはリリーが歩き去った窓の外へと視線を移すと、何を考えているのか満足そうな微笑を口角に浮かべ、イヤリングを手の中にゆっくりと握りしめた。