「あの、大丈夫ですか?
…って、佑香!?」
「…っ!?富岡先生!?」
目の前に現れたのは、高校時代の部活の顧問だった富岡先生だった。
とてもびっくりした。
だけど、このときの私はすごく安心したんだ。
心細くて、どうしようもなかった気持ちが嘘のように。
「久しぶりだな。
今からどっか行くんやろ?
押して行くよ」
富岡先生は優しかった。
だけど、素直に頷くことはできなかった。
「大丈夫です。
先生も用事があって駅に来たんですよね?」
「俺のことは気にすんなって。
親から買い物頼まれててもう用事済んだし。
さあ行こうか」