無愛想で、不器用な

……と、いうのも、2・3年生を合わせても、6人しかいないんだ。こんなに仮入部の来る部活とは到底思えない。すると、
「はぁい!質問ですぅ!」
1年の女子マネ希望の中から声があがった。先輩が応える。
「ん?何かな?」
「入部試験ってぇ、何するんですかぁ?」
語尾を伸ばすな。……とはさすがに言わないけど……鬱陶しい。
「内容?簡単だよ。今からみんなには外周を3km、走ってもらう。もちろん、女子もね?それで、男子は上位3人が合格。女子は上位3人の男子が帰って来るまでに帰って来れば合格だよ。じゃあ行ってらっしゃい。」
周りの1年が慌てて走り出す。少し遅れて俺と優希は出た。
「ねぇ、翔ちゃん。」
ふいに優希が声を掛けてきた。もちろん、話している間にもどんどん追い抜いている。
「何だ?」
「もっと飛ばそうよー!」
……コイツは…
膝壊してるから気を遣って走ってたのに……
「じゃ、飛ばすぞ。遅れんなよ?」
「うんッ!!」
それから何分たっただろうか。俺達は一言も発さずに、全力で走った。まるで陸上部にいた時の様に。
結果はもちろん1位。って言いたいところだが、だいぶ危なかった。…というのも、俺達のすぐ後ろに2人着いて来てたんだ。
そして体育館の中に入ると、さっきの先輩がびっくりしたように近付いてきた。