「玲…辞めちゃうの?」
「ああ。縁切った親に払ってもらって行くのはやだからな。仕事見つけてお金貯めたら雪乃と暮らす。」
「え…でもそれでいいの?」
私は玲に聞く。
「お前がいれば俺は幸せなんだ。」
――ドキッ。
……玲………
「玲……。」
「お前ほどいじめがいある女も早々いないしな。」
………え………
「な、何それ?」
「まあベストパートナーってわけだ。」
……なっ………
「本当に玲を選んで良かったのかな…」
「……あ?」
私は
本当に幸せになれる……?
「雪乃、眠い。」
電車に乗ると玲は私の肩に寄りかかる。
「れ、玲っ…恥ずかしいよっ。」
「降りるの終点だから。寝かせろ。」
「えー!?」
普通病み上がり寝かせるよ……。
まあ玲に常識は通じないから。
降りるの終点…?
一体どこに行くのかな。
知らない名前の駅だ。
玲が寝ているためいろいろ考えながら私は駅に着くのを待った。
「一体どこに行くって言うの?」
駅に着くと私は玲に連れられどこかに向かう。
「いいから、いいから。」
玲は場所を言わない。
なんなの……?
駅から出ると地面が昨日の雪のせいで白い絨毯になっていた。
「歩きにくいし雪ってやだな。」
玲がぶつぶつ言いながら歩く。
「そうかな?なんかロマンチックだよ。」
私は玲に言う。
「まあ最高の雰囲気作りとしては良いかな。」
玲は笑って言う。
……え……
「何が?」
私は玲に聞く。
「あ、いや…なんでもない。」
……ん?
何か企んでる?
昨日からなんか気になる玲の様子。
一体何なの……?


