俺様愛用!?





〈ガラッ〉


玲の病室の扉を開ける。



すると


………え………


「どちら様ですか…?」


赤茶色の長い髪をゆるく巻き、顔立ちが綺麗で、優しい瞳をした女の人が病室にいた。


ベッドでは頭を包帯でぐるぐる巻きにした玲が眠ってる。


玲……。


「れ、玲の彼女です…」


誰だかはわからないけど一応私は言う。


「彼女…?」


「は、はい。玲の調子は……?」


見たところ大丈夫かな…



「頭を強打したけどそこ以外は運良く大丈夫だったわ。二週間で退院できるそうよ。」


「よかった……。」



あ、でも……


「あのあなたは?」


私は彼女に聞く。


「花石由利恵です。彼の…婚約者です。」


………え!?


こ、婚約者!?


玲に婚約者が……


「あ、後は私が診るから大丈夫よ。明日には元気だと思うから心配しないで。」


「は、はぁ…さよなら…」


私はそう言うと病室を出た。


こ、婚約者……。


玲はなかなか起きそうにないし、あのままいてもなぁと思い帰っちゃったけど……


綺麗な人だったからかなりショック。



玲とお似合いだよぉ……



これじゃあ旅行どころじゃないなぁ……。




〈♪〜♪♪〜♪♪♪〜…〉


………あ………


病院を出たら携帯が鳴る。


私は電話に出る。



『もしもし?雪乃!?』



「か、香奈ちゃん…」



『今から話せる?駅前に最近できたカフェで待ってるから!』


「うん…」


話……?



私はとりあえず香奈ちゃんの言う駅前に最近できたカフェに向かう。



なんだろ……。




クリスマスをイメージした街を包む明るいもの達に囲まれる中、私はただ呆然をしていた。



婚約者……。



いるよね…玲んち金持ちらしいから。



玲が無事でよかったのに……


素直にいっぱい喜べない。