「あー…マジ良かったなぁ。あの雪乃の戸惑った表情!」
「ひどいよ…」
どんだけ意地悪?
「今度、玲君って言ったら罰ありだから♪」
「えっ!?」
まだ呼び慣れてないのに……。
「彼女なんだから呼び捨ては当然。」
「………う………」
彼女…か。
「あー…やっぱり雪乃じゃなきゃだめだな。俺の意地悪は雪乃にしか通用しねぇ。」
「意地悪すぎだよ…」
私弱いのに…
「だってテンション上がるし。雪乃の困った表情見ると!」
「れ、玲…ひどい…」
なんとか玲って言えたぁ。
「玲ねぇ…」
玲はにやにや笑ってる。
呼び慣れないと身の危険ありだなぁ…
一番怖いのが彼氏とか普通ありえないよね…
でも
なぜか好き。
弱虫な私にとって天敵な玲……が。
………うっ………
大変だよ。
付き合ってるんだもんね。
「ど、どこ行くの?玲っ…」
「ん?俺んち♪」
………………え?
……ぇえっ!?
また身の危険っ…
「な、なんで!?」
「この時間に街で制服で歩いてんのおかしいだろうが。」
「た、確かに。なら、学校終わってからで…」
学校サボるなんて…
「待てなかったんだよ。やっと雪乃を俺のものにしたんだ。嬉しくないわけがない。」
「……え……」
「俺が我慢できるわけねぇだろうが。」
た、確かに……。
我慢が大嫌いって感じする…
「そっか…」
「うん。」
あの玲と…
恋人同士なんだ。
まだ天敵に見えるけど…
すると
「あ、そういえば!雪乃からまだ好きって言葉聞いてないな。」
玲はにやっと笑って言う。
ま、また意地悪っ…
「もういいって…」
「やーだ!言え。」
「………っ……」
簡単には言えないよぉ……


