「確かに遊んでるけど、あんなにちょっかい出すの雪乃くらいだし。」


「そうかな…」


「よく言うじゃん。好きな子には意地悪したくなるって。」


「そ、そんなわけない。だとしても私は玲君が嫌だよ…」



「そうかな?二人共、素直じゃないだけだよ。」


「違うもん…」




玲君なんか絶対好きになれない。


玲君なんか…



「まぁ、そのうちわかるよ。」


「うーん…」



玲君を好き…?


絶対ないよ…。




絶対…。



その後は香奈ちゃんのおノロケ話を聞き解散。



香奈ちゃん…良いなぁ。


香奈ちゃんみたいに素敵な恋がしたいよ。


私は今は恋してない。


してない…よね?



でも


頭に玲君を浮かべるとドキドキする。


玲君にたまにドキドキする私は絶対おかしい。



玲君の事…


好き?嫌い?



嫌な時はいっぱいだけど……



あー…わかんない。








〈ガチャ〉


「ただいま…」



――私は家に帰る。


すると


……あ……


玄関にはローファーが。


中学の友達でも遊びに来てるのかな?


私はリビングへ向かう。


誰、来てんだろ……。



〈ガチャ〉


私はリビングの扉を開ける。



……え……


「お母さん、本当に若いですね。」


「やだ!もう!」


……え


……え!?


目に飛び込んで来たのは楽しげに話す玲君とお母さん。


は、はい!?



「れ、玲君!?」


私は大きな声をあげる。


「雪乃!遅かったな。」


玲君はにっこりと笑って言う。


「ど、どういう事!?」


な、何!?



「今日からお世話になります。よろしく!」


玲君は笑って言う。



……はい!?