キーンコーンカーンコーン




あっという間に2時限目の始まりを告げるチャイムがなり始めた。



「ギリギリセーフ」



ほっと胸をなで下ろす。



もし間に合ってなかったら。

想像するだけで、体がかたかたと今にも震えそう。




そしてチャイムが終わったと同時に鬼丸先生が教室に入ってきた。


騒がしかった教室もいっせいに静まり返る。



「起立!礼」

『おなしゃーすっっ』




「教科書54ページを開けー
ここに書いてあるのがー…」




なんだか先生の声がやけに遠く感じる。


ボソボソ遠くで呟いている声にしか聞こえない。




「ちゃんとしなきゃ…」






自分で思っている事ができないなんてこんなにも辛いのか。




「せんせー!
坂田さん体調悪そうなんで保健室連れて行ってきまーす」




「おー、そんか…
気の利く保険委員だなー、頼んだぞ!」